【ブックレビュー】ビブリア古書堂の事件手帖
わずか2巻で100万部を突破する大ヒットとなった『ビブリア古書堂の事件手帖』。
半年ほど前に購入していたものの、読む時間がなく、しばらく放置していました。
気がつけば大ヒット作になっていたので、気になって本棚から取り出して読んでみました。
『ビブリア古書堂の事件手帖』
メディアワークス文庫。
内容は公式ではミステリーとなっています。
ひとまず読み終えての評価。
85点/100点です。
ストーリー
鎌倉の古本屋「ビブリア古書堂」の女性店長と、本に拒絶反応を起こす主人公、そして「本自体の物語」を描いた作品。
幼いころ、ある事件がきっかけで、本に拒絶反応を示すようになった主人公は、祖母の遺品の中から一冊の本を見つける。
その本は「漱石全集」。祖母が集めていた古本。本の中には「夏目漱石 田中嘉雄様へ」と書き込みが存在した。
その本の値札には「ビブリア古書堂」と書かれており、漱石自身の書き込みなのか確認するべく、主人公はさっそくその店の店長に会いに行く。
店長は「普通落書きがあれば、『書き込みあり』と値札に書くはずだ。つまりこの本が売られたときにはその書き込みはなかった。」と言う。
この書き込みは誰のものなのか、そして祖母は何故書き込みのされたこの本を持っていたのだろうか。
そんな感じで、はじまります。
各章のタイトルは、その章でテーマとなる古書のタイトルです。
すごく難しそうな書名も出てきますが、読んでいくと実際の本の内容を知らなくても、スラスラと読んでいけます。
一章7,80ページですが、長いとは感じませんでした。
本格的なミステリーを期待して読んでいましたが、ミステリー性という面では微妙だったと思います。
どんな謎でも、女性店長が即座に謎を解決、解決しながらキーワードやヒントを出していくため、読者側からの考察は一切できません。
代わりに、物語はリズムよく展開していきます。途中早すぎるところも多々。
肝心な謎解き部分が展開が早いところもあり、理解が追いつかなかったりもあります。
結論を読んで、一度読みなおしたところも2,3箇所。。
全体的には結構ライトノベルみたいな感じで、本が苦手な人でも読めると思います。
インターネット上での感想では、普段ライトノベルを読む人と、読まない人では感想が真逆です。
ライトノベルをよく読む人→「久々にラノベ以外の本を読んだ。」
ライトノベルをあまり読まない人→「まさかのライトノベルだった。」
確かにライトノベルとミステリーの中間にあった気がします。
ライトノベルでよくある、学園もの、女より男が強い、ハーレムみたいなのはないです。
ライトノベル要素は少ないですが、文章はライトノベル寄りなのが感想の相違を生むのかと思います。
なので、ライトノベルか?と聞かれると、僕は否だと思います。
文章がライトノベルとは言ったものの、ライトノベルにありがちな冗長な回りくどい文章は目立ちませんでした。
読み終わった後の感想は、「とにかく何か本を読みたくなった」です。
この本で出てくる本の共通点は「古書」というだけです。
ジャンルも共通はなく、『漱石全集』などの文学作品や『論理学入門』まで。
本が好きな人なら「一生本棚に残しておきたいほど大切な本」があるはずです。
人生を変えた一冊があるはずです。
そんな本をテーマとした話がこの本です。
中に出てきた本の内容は物語中で出てくるので、何冊か興味が出てくる本がありました。
さて、自分的まとめ。
・全体的にはすごく面白かった。
・正直ミステリーではない。
・読みやすい文章の代わりに、説明不足と展開の速さが目立つ。
・ライトノベルを読む人も、読まない人も楽しめる。
・売れているだけあって、はずれはない。
内容が良かったので、かなり点数は上。
万人受けするので、点数アップ。
文章の面で少しマイナスで、85/100の評価になりました。
とりあえず、2巻も読みたいと思います。
BGM:深紅のエヴェイユ/少女病